2025年12月 第46号
発行 聖ベネディクト女子修道院
皆様は今年のご降誕祭をどの様に迎えられますでしょうか。
私たちにとりまして今年のご降誕祭は、「新たな出発」と言えるでしょう。
昨年11月に連合会の視察があり「2年後の1月末までに現在の修道院を売却し、小規模共同体に適した住居へ移るように。」との勧告を受けました。
以前は東京、夕張、小野幌、そして室蘭の4か所に修道院がありましたのを18年前、室蘭に統合する決断をし、すでにあった土地に建物を増築して、17人が住んでいました。
しかし今は9人になり、施設への入所、通院者も多く、建物の維持管理が重荷になっていました。
それを解消するように勧められたのです。
土地の売買に何の知識ありませんでしたので、年明けに先ず、司教様に事の次第をお話して、アドバイスをいただいた通り、室蘭市役所から紹介された不動産会社と連絡を取りました。
2月に入ってその方が修道院の土地と建物を見に来られ、開口一番、「建物は特殊なので、要望者が限定されます。買い手が見つかるまで2、3年はかかるでしょう。」
また「室蘭では祈りの場があって、8人が一緒に住める広さの家屋は見つけにくいでしょう。もしあっても改築、改造しなければならない問題があり、大家が了解するかどうか…」と言われ、落胆し、為す術もなく思案に暮れました。
わたしたちは教会や病院、買い物が近くで出来る所を望んでいましたが、叶いませんでした。
しかし次の日に「土地と建物を見せて欲しい人がいます。」と不動産会社から電話があり、その1週間後には「心身障碍者の寄宿舎として建物と土地を買いたいが。」と話が進み、その上、古い方の建物に8人が住めるようにもなりました。
聖堂があって全員が共に住める場所の問題も一挙に解決しました。
驚きと喜び、そして何時か何処かで読んだ「課題が出された時すでにその解決方法も主によって準備されていた。」という言葉を思い出し、主のお取り計らいに感謝でいっぱいでした。
図書の本や、家財道具一切を整理し、個室をリホームし終えたのが11月でした。
修道院は以前の様な広さは望めませんが、見通しが良くなり、皆が協力し、助け合える近さで、これからの生活に適した落ち着きと安心感があります。
皆様、お近くにいらした折にはどうぞおしゃべりにお立ち寄りください。
院長 シスターナオミ 田中 美智子