ベネディクト女子修道院・春のオブレートだよりです
2011年4月 第28号 発行 聖ベネディクト女子修道院 |
ご復活おめでとうございます
わたしは復活であり、命である。
わたしを信じるものは、死んでも生きる。
わたしを信じるものは、死んでも生きる。
《ヨハネ11章25節》
院長ご挨拶
お元気でお過ごしでしょうか。
皆様のお祈りのお陰で共同体一同、恵みのうちにご復活祭を迎えることが出来ましたことを心から感謝申し上げます。
北国の自然界も目覚めの時を迎えました。
あの花はあそこに、これはここにと、庭の配置を思い浮かべながら、春を切望しておりました。
昨秋、中国の上海でベネディクト会上長者会議に出席する機会を得、実際に中国の女子修道会の存在を目にし、
会の歩んだ歴史が茨の道であったことを知りました。
上海教区立、女子修道会の若い会長さんからこんな話を聞きました。
会員数が600人にもなった1940年頃、小教区や福祉関係で奉仕していましたが、やがて中国政府による迫害の嵐が吹き始め、
すべての外国人宣教師の国外追放が始まり、教会活動や修道生活も認められず、政府からの援助もなくなって全てを失い、
船上での生活を余儀なくされ、散り散りになったとのことでした。
今はこうして宗教が公認されているものの、それまでの約半世紀間は、自分の信仰を他の人に話すことも無くひっそりと生きてきた会員がほとんどですが、
1985年、混沌とした状況からもう一度神様と人々に奉仕しようと、あの当時を体験したシスター数人が集まり、新しく復活した修道会は現在、
96名の共同体になって、創立25周年を迎えるに至ったということです。
今なお複雑な状況下で、中国の信仰の底力を垣間見る貴重な分ち合いでした。
院長 シスターマルタ 上田 若子