2016年12月 第37号 発行 聖ベネディクト女子修道院 

オブレートだより

オブレートの皆様、ご降誕祭のお慶びを申し上げます

12月23日は毎年、待降節の締めくくりとして共同体にとって大切な日です。
シスター達は物品庫から担当する場所へ、クリスマスの装飾品が入っている段ボール箱を運びます。
聖堂には折りたたみ式のツリーを広げ、電飾を灯すようにし、てっぺんにはベトレヘムの星を付け完了です。
2カ所の玄関には馬小屋の中に赤ちゃんイエスを置きます。
食堂はテーブルの上に柊のついた真っ赤なろうそくを置き、壁にも布製のサンタなど飾り、一段と華やいだ雰囲気になります。
こうしてこの日一日、仕事と祈りの中で静かに準備し降誕祭を迎えます。

また院内に年中ご降誕を黙想できる板絵がありますが、これはアメリカの修道院からもらった品です。
8年前、新築した際に女性の建築アドバイザーの方がこれを見て「価値あるもの、ここが一番」と聖堂に行く2階の踊り場の壁を指定して下さいました。
ラッパを吹き鳴らしている天使が両側にいて、中央の飼い葉桶に眠る幼な子を讃えている3枚セットの作品です。

洞窟の周りに大勢の天使と羊飼いと羊がいますが、なぜ、1枚の絵の中に「2人の白い布でグルグルに巻かれた救い主が画かれているのだろうか」と、不思議に思っていたのです。
最近ふと〝お宝では〟と思った私は板の裏側を見て ビックリしました。
横文字でフラ・アンジェリコと書いてあります。
レプリカですが調べて見ると「受胎告知」で有名な15世紀の巨匠の絵でした。
彼はドミニコ会士でもあり、1982年、ヨハネパウロ二世によって芸術家の保護者として列福されております。

そして疑問が解けたのです。当時、降誕の絵は産湯をつかう幼な子と、マリアの傍に眠る2人目の幼な子も画くことが定番であったと知ることもできました。
アンジェリコが伝える救い主誕生の神秘を黙想したいと思います。

院長 シスターマルタ 上田 若子