2020年6月 第37号 6月号 発行 聖ベネディクト女子修道院
世界中が新型コロナウイルスの危機に直面している今、これまでに経験のない「3密状態」を避けた自粛生活を心がける毎日です。
教会のミサや集会も全て中止となり、信徒の皆様にもお会いできない日々が続きます。
皆様はお元気でいらっしゃいますか。
特に今、毎週土曜日には、皆様のご健康のためにお祈りしております。
当院はお蔭様で、皆、変わりなく、皆様の毎日のお祈りに深く感謝申し上げます。
社会全体の機能が停止される中、世界の経済破綻も危惧されます。
その一方でアメリカの連合会からのコロナ情報が頻繁に届くようになり、パソコンの前に座っている時間が増えましたが、世界中の人々がひとつの共通の問題、コロナに苦しみ涙し戸惑いながらも一丸となってウイルスの終息を願い、祈りのうちに強く
つながっていることを実感し、感謝の心で満たされました。
最近気づきますのは、ウォーキングする方が以前より多く見られることです。
当院の窓を覆っていた松の大木が老齢化し、昨年4本伐採したお蔭です。
前の通りが良く見えるようになり、人も林の小鳥たちの様子も分かり楽しいです。
食卓ではカラスが巣作りに精を出す様子に会話が弾みます。
そして自ずと私たちは、目の前の自然や小鳥、草木、花々から喜びや慰め、力をもらっていることに気づきます。
アメリカからのメールの中に、「サイレントピースウォーク」の紹介がありました。
沈黙して平和な心で歩くとあり、私もお休みしていたウォーキングを再開したくなりました。
往来する車の量が減りました。
都会では空の青さが増し、空気が澄み、星が輝いているとのこと、以前東京修道院に異動したころ、お正月の静けさと空気が心なしかきれいになったように嬉しく感じ、散歩が楽しかったことを思い出しました。
普通ならば観光で賑わう森や海、川も、公園などもすべて閉鎖される中、ほっと一息、生き生きしているのは、自然界の草木や動植物、虫たちでしょうか。
自然を支配するのではなく、自然との共存共栄であったことを深く思いました。
便利で快適な消費社会に慣れ生きる私たちですが、今一度立ち止まり、自然に対する思いやりの心を持ちたいものです。
私たちは、どれほど神様から恵みのうちに生かされていることでしょう。
感謝のうちにインマヌエル、ともにいてくださる神様を信じ、希望し、愛のうちに、歩み続けて行きたいです。
今、コロナウイルスの只中にあって、ともに苦しみのうちに涙し、私たちを見守って下さる主にすべてをお委ねして祈りのうちに歩みたいものです。
主に依り頼む人は、シオンの山。揺らぐことなく、とこしえに座る。山々はエルサレムを囲み
主は御自分の民を囲んでいてくださる 今も、そしてとこしえに。 詩編125・1-2