2020年6月 第37号 6月号 発行 聖ベネディクト女子修道院
除雪と畑仕事。どちらも体力を必要としますが、私は除雪をほとんど義務感から行なっています。
でも畑は積極的に取り組める仕事の一つです。それは、生産性があるだけでなく、種と成長の過程に大きな発見と喜びもあるからです。
球根や種は硬くて大小さまざまで、色も形もそれぞれです。
でもこんな小さな物の中にはすでに、そのものになるのに必要な全てが備わっている不思議があります。
また南瓜とズッキーニのように、ほとんど見分けのつかないそっくりな外観から全く違った作物になる。
と思っていたら、両方ともウリ科でズッキーニは南瓜属に入るとのことにまた驚きでした。
そして、まだ気温の低い春先に何かは分からないが、双葉を出し、それが昨年収穫されずに残されたレタスの種が越冬し、芽を出して育ったと分かった時はなんとけなげな。
一見、なよなよと弱そうですぐにも凍ってしまいそうなのに、どこにそんな力があるの。
と聞きたいぐらいでした。
このように、畑に蒔かれた種や球根は、人間の世話を受け、太陽の熱、雨、土からの養分に助けられ、やがてそれは暗い土の中から芽を出し、秘めていた可能性を成長させて花や実を付けます。
でもその段階や時期は 誰の教えも受けません。
「時」に従って黙々と私たちの知らないうちに成長し多くの喜びをもたらしてくれます。
この不思議は何を示唆しているのかと考えさせられるからでもあります。