編集後記

▼2011年・年の黙想の最終日、ニュージーランド南部地震で被災された方々のことを思い、今年こそ平和にと祈っていた矢先、東日本大震災が起りました。
新聞やテレビのニュースで報道される悲惨な被害状況に絶句し、胸が痛み涙があふれました。
一日も早い救助と支援、被災地の復興を祈る毎日です。

▼また地震と津波の影響による原発事故で、世界で唯一の被爆国である日本が、またもや被曝の危機にさらされています。
終戦から66年経ち、科学技術の進歩に伴い便利な生活に慣れてしまった私たちですが、日本を始め世界中の核による犠牲者の叫びに心を留め、 今一度、個々人の生活を見直したいものです。

▼復興には長い時間がかかると思いますが、避難生活を余儀なくされている方々の失意と悲痛に心を寄せ、忘れることなく、復興に向けて共に歩みましょう。

▼「なぜ私ではなく、あなたが」という思いを、今どれ程の人々が自分に向って問うていることでしょう。
今回の未曾有の震災で思うことは、隣人同士が助け合い、支えあって生きる姿勢を日頃から育んでいく大切さです。

▼無縁社会といわれる昨今、黒い津波に何もかもがのみ込まれ、瓦礫と化した泥の中に見えてきたものは、唯一消されずに光を放つ家族、地域の人々との強い絆でした。
今日本中、世界中で、祈りのうちに支援の輪が広がっています。
この助け合いの連鎖の中で、地球上の人間は、深いところで皆つながり合っていることを実感しています。
どんな人間の中にも宿る神様の愛に信頼しつつ。               

係り・Sr.セシリア藤井