第23回 ベネディクト連合会に出席して


*** シスターマリア・ベダ 岡 由美子 ***

 7月21日から27日にかけ、ミネソタ州、セント・ジョセフの聖ベネディクト修道院で開かれた総会に、院長のシスターマルタ上田、シスターテレジア齋藤と私の3人で出席しました。

 
総会

左からSr岡、Sr上田、ハイモンズ夫妻、Sr齋藤

 

   連合会はこの修道院から分かれた11の修道院(うち7つはアメリカ本土、残りはバハマ、プエルトリコ、台湾と日本)から成り、3年毎に各修道院の院長と代表が集まって、ベネディクト会の伝統の保持とふさわしい刷新にむけて、方針を打ち立てることになっています。

 今回は21世紀における修道者としての証しをするという重要性を認識し、そのための講話を聞くことと、連合会の会長を選出することが重要な課題でした。

   着いたとたんに、70年ぶりという夏の寒さに出くわし、暖かいカーディガンなどアメリカのシスターたちから借りてすごしましたが、日中は陽ざしも上って、女子大学もある広いキャンパスでは、リス達が遊びたわむれ、珍しい色あざやかな小鳥たちが目を楽しませてくれました。

 総会の前日に、聖ベネディクトの16人のシスター達のゴールデン・ジュビリー(金祝・初誓願後50年記念)が祝われ、大聖堂に集まった超満員のお客様たちと一緒に私たちもすばらしく荘厳で、途中院長様のユーモアあふれたお話に大笑いしながら与かることができました。

 その中の2人のシスターは兄弟姉妹が17人ずつ皆さん参加された様子ですばらしいものでした。

 式典後の祝賀会はキャンパスのそれぞれの場所にシスター達のご家族、親戚、友人方が集まり、様々に装飾をほどこした部屋の中で 実にアメリカ人らしい陽気さと、心からの暖かいもてなしを楽しんでいて、順番に訪ねてまわる私達を、その輪の中に自然に入れてくださいました。

駐車場では何人ものボランティアの人達が奉仕していて、シスターたちが名前を呼んで気楽に話しかけているのを見て、外部の人達と修道院とはふだんから深い交流があるのだろうと察せられました。

 総会での講演は、他のベネディクト連合会に属する、シスターショーン・カラスが、4回にわたって「修道的証し:恵み・挑戦・希望」という題で  お話しして下さいました。

 内容のきわめて濃いお話で、英語力不足の私たちには難解で、また講話を数行でまとめることは至って難しいですが、大体次のようになります。

 「古代ローマ帝国に倣う如く、アメリカ合衆国は、政治、経済、文化や民主主義の理念をもって全世界を支配しようとして来た。
社会的にアメリカの個人主義、その他の風潮は、修道者たちの生き方にも影響を与え、ベネディクト会の共同生活の中にも、 個人主義、時間や物のひとり占め、他人への思いやりの不足が目立っている。

実はこの世界で私たちが持っているものは全て神からの恵みであり、人々と分ち合うために与えられているものである。

帝国主義的な生き方に対して、私たちのなすべきことは、真のキリスト者として、またベネディクト会の女性として、祈りと読書、 そして修道院で与えられた務めを通して、
キリストの思い、生き方を囲りの人々や教会への奉仕の中であかしすることである。

 シスターショーンはまた私たちが共同体、禁域の中で育てられてきたことの意義を認識するようにとも言っておられましたが、 証し人であることは、これからの私たちにとって大きなチャレンジであると同時に、希望をもって、絶えず聖霊の息吹きを受けてこそやって行けることではないかと思います。

 色々な体験と有意義な勉強をさせてもらったことを神様と共同体に感謝しながら無事に旅行を終えることができました。

 ちなみに、ベネディクト連合会々員数630余名、全世界の女子ベネディクト会々員数17000名。

大聖堂

アメリカ聖ベネディクト修道院大聖堂

墓地

修道院敷地内にある墓地

ルルド

修道院ルルド



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