聖ベネディクト女子修道院・春のオブレートだよりです
2013年6月 第30号
発行 聖ベネディクト女子修道院 |
院長ご挨拶
オブレートの皆様お元気ですか。共同体のための大きな支えであるお祈りに、心から感謝申し上げます。
今年の室蘭は遅い春を迎えましたが、今年も決まって4月中頃に敷地内で鳴き始めるウグイスの声を聞くことができました。
別名を春告げ鳥(ハルツゲドリ)というそうで、なるほどと納得しました。
共同体のメンバーは、連合会長の来院や会員の入退院の時期が重なり、少々あわただしいご復活節でしたが、 美しく装いつつある自然界の中で、神を探し求めつつ、喜びのうちに過ごしております。
この冬の気温の低い日でしたが、同じ町内のHさんの葬儀に2人のシスターと参列した時の、曹洞宗派のお坊さんのお説教が心に残っています。
亡くなった94歳のHさんは、今時日本人が忘れてしまった、しとやかさのある方だったとのお話でした。
足が不自由で歩行が困難だったにもかかわらず、亡きご主人の法要のために訪問しての帰り際、玄関まで見送ろうとするHさんに、
お坊さんが「いいよ無理しなくてここでいいよ」と言っても、辞去する姿が見えなくなるまで、感謝の心を体いっぱいに表して、
亡くなる2ヶ月前までお見送りを続けたそうです。
内的な平安をお持ちの方だったのだと、帰路の車中で、Hさんを偲んだのでした。
とかく表面的な愛想をもって人に接しても、隠しようのない心の中身が顔やことばに出てしまうことをわたしは体験しています。
マザーテレサの生活問答24か条の一つにありました。
・最も好ましい心・・・内的平安
・最も有効な防御・・・微笑み
院長 シスターマルタ 上田 若子