2019年12月 第40号 発行 聖ベネディクト女子修道院
ナナカマドの葉が鮮やかな緑で希望を感じさせ、土手には紫陽花が美しい花をつけ、自然の豊かさが溢れる夏。
今年度の修道院の黙想会が8月20日から26日に行われました。
指導司祭は山形教会で司牧、宣教活動をされているイエズス・マリア聖心会の千原通明神父様でした。 テーマは「人生後半の霊的旅路―神の慈しみに触れる旅―」で7日間、9回の講話をいただきました。
神父様のゆったりと心豊かな言動、で私たちも落ち着いた時間を通して、ゆっくりと神様との交わりを深めることができました。
神父様ご自身、病を神様からの贈り物として受け容れ、治療されながら神様と向き合う時間を過ごされたと話してくださいました。
その経験から病む方々に寄り添う、温かな心が生まれてくるものと思い、体験談が印象に残りました。
また、神父様は自然を全身で感じ、草や花に慈しみの目を注がれ、心を留めておられることがプロジェクターの映像を通して伝わって来ました。
特に駒草を見せてくださりながら、希望をもって一日一日を大切に生きていく意味を、福音書のみことばを通してお話くださり心に沁みました。
--駒草。種がこぼれて7年かかり、このように美しく開花するそうです--
そして、何より神父様の自然を大切に思い、一本の小さな草や花にも心を寄せられるお人柄が、私たちの老いの霊性に一筋の明るいランプの「光」となりました。
いやしてくださる神よ
わたしの心の隅にまで来てください
固く閉ざされたわたしの魂の部屋を開けてください
悟らせてください
わたしの中のすべての死を命へと引き上げてください
抑圧された感情に命を吹き込んでください
疲れ果てている心に生気をお与えください
自己中心的なわたしの汚れを洗い流してください
分らずに混乱していることを、すっきり分らせてください
冷え切ったわたしの愛を、また燃え立たせてください
薄汚れた夢のほこりを、全部はたき落としてください
霊的な飢えを満たしてください
重荷に感じている人間関係を楽にしてください
自分を大切にする意識を深めてください
わたしの世界との関わり方を、奮起させてください
まだいやしが必要なすべてを
まだ傷つき残っているすべてのことを
あなたの腕の中にやさしく集め、受けとめてください
より強く純粋な内的自由を感じながら
わたしが本当のわたしになっていくことができますように
(黙想で配布されたシスタージョイス・リップの詩 千原通明神父様訳)